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『3人の新しい関係』
(セフィ→クラ←ザク)
「…虚しいな」
いつも、落ち込むのは俺の役目だったのに。
周りの誰が落ち込んでいたって、いつの間にか笑わせてるザックスなのに。
らしくない、そんな一言を…呟いた。
心配になって、クラウドはザックスを見つめたけど、ザックスはそんな視線に気付くことなく…じっと天井を見つめていた。
「…ザックス…何が…」
「悪ぃ…クラ。一人にしてくれないか?」
心配させるような、そんな言葉を呟いておきながらザックスは言った。
クラウドはそんな態度に少し頭に来て、いつになく強い口調で言い返した。
「そんなザックス、ほっとけるわけないだろっ…!」
ザックスは、はっとした顔をしてクラウドを見上げた後…泣きそうな顔をしてから笑った。
「それ、すげぇ殺し文句…勘弁してくれよ…」
「ザックス…!」
クラウドは続く言葉は、紡ぎ出せなかった。
あっという間に伸ばされた手によって、クラウドの身体はザックスの胸にきつく抱きしめられていた。
「ザックス…」
「ごめん…今だけ…頼む」
ザックスの搾り出すような声が耳を掠めた。
本当は振りほどかなくてはいけないのに…クラウドはそれが出来ず呆然としていた。
二人で過ごすときは、笑いの絶えない部屋に…今は恐ろしいほどの沈黙が落ちていた。
クラウドは堪らなくなって、ザックスの震える身体に手をまわそうと腕をのばしした。
それを見計らったかのように、沈黙を破るように、クラウドの携帯電話が震え出した。
「ぁ…」
回しそびれた腕が行き場を無くし、クラウドは慌てて下ろす。
ザックスは、ゆっくりと腕を解くと小さく頷いた。
「もしもし」
『…どうした?』
「ご、ごめん…忘れ物したから…急いでいく…」
『そうか…』
簡単な通話が終わり、携帯を閉じるとすぐにザックスが言った。
「セフィロスだろ?…行けよ」
「う…うん…」
悲しみと笑みを同時に浮かべるザックスの姿に、言葉が続かない。
けれど、どうすることもできずクラウドはその場を後にした。
「分ってたはずなのにな…。」
ドアの向こうでザックスが呟いた言葉を、クラウドは知る由も無かった…。
***
「今日はやけに敏感だな?」
「ひぁっ…そ…んな…ぃ…」
クチュリクチュリといやらしい音が耳に届いた。
セフィロスの長い指が、中壁を探るようにぐるりとかき回す。
敏感な個所を掠めるたびに、びくびくと腰が震える。
けれど、快楽を極めるほどではないその愛撫に、絶頂を求める身体が限界を訴え始めていた。
ふと、理性が飛び始めると、クラウドの脳裏に先ほどのザックスとのやり取りが蘇った。
『ごめん…今だけ…頼む』
−−−ザックス…
「お前が、際中に考え事とはな」
「…ふあぁっ…!」
突然、増やされた指が侵入してきた。
飛びかけた思考が、強引に現実に引き戻される。
一杯に広げられた、クラウドの後孔が悲鳴をあげた。
けれど、それも一瞬のことで、すぐに激しい快感が底から湧きあがってくる。
「んぁあっ…セフィ…」
「ザックス…か」
セフィロスは、最初から気付いていた。
自分の呼び出しにクラウドが遅れることなど今まで無かった。
電話口で動揺する声、姿を見せれば消しきれていないザックスの残り香。
クラウドの意識の先に、ザックスがいることを。
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