World725

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『3人の新しい関係』
(セフィ→クラ←ザク)



「…虚しいな」




 いつも、落ち込むのは俺の役目だったのに。
 周りの誰が落ち込んでいたって、いつの間にか笑わせてるザックスなのに。

 らしくない、そんな一言を…呟いた。


 心配になって、クラウドはザックスを見つめたけど、ザックスはそんな視線に気付くことなく…じっと天井を見つめていた。




「…ザックス…何が…」

「悪ぃ…クラ。一人にしてくれないか?」




 心配させるような、そんな言葉を呟いておきながらザックスは言った。
 クラウドはそんな態度に少し頭に来て、いつになく強い口調で言い返した。



「そんなザックス、ほっとけるわけないだろっ…!」



 ザックスは、はっとした顔をしてクラウドを見上げた後…泣きそうな顔をしてから笑った。




「それ、すげぇ殺し文句…勘弁してくれよ…」

「ザックス…!」




 クラウドは続く言葉は、紡ぎ出せなかった。




 あっという間に伸ばされた手によって、クラウドの身体はザックスの胸にきつく抱きしめられていた。




「ザックス…」

「ごめん…今だけ…頼む」




 ザックスの搾り出すような声が耳を掠めた。

 本当は振りほどかなくてはいけないのに…クラウドはそれが出来ず呆然としていた。






 二人で過ごすときは、笑いの絶えない部屋に…今は恐ろしいほどの沈黙が落ちていた。







 クラウドは堪らなくなって、ザックスの震える身体に手をまわそうと腕をのばしした。

 それを見計らったかのように、沈黙を破るように、クラウドの携帯電話が震え出した。




「ぁ…」




 回しそびれた腕が行き場を無くし、クラウドは慌てて下ろす。
 ザックスは、ゆっくりと腕を解くと小さく頷いた。




「もしもし」

『…どうした?』

「ご、ごめん…忘れ物したから…急いでいく…」

『そうか…』




 簡単な通話が終わり、携帯を閉じるとすぐにザックスが言った。




「セフィロスだろ?…行けよ」

「う…うん…」




 悲しみと笑みを同時に浮かべるザックスの姿に、言葉が続かない。
 けれど、どうすることもできずクラウドはその場を後にした。







「分ってたはずなのにな…。」






 ドアの向こうでザックスが呟いた言葉を、クラウドは知る由も無かった…。






***





「今日はやけに敏感だな?」

「ひぁっ…そ…んな…ぃ…」




 クチュリクチュリといやらしい音が耳に届いた。
 セフィロスの長い指が、中壁を探るようにぐるりとかき回す。

 敏感な個所を掠めるたびに、びくびくと腰が震える。
 けれど、快楽を極めるほどではないその愛撫に、絶頂を求める身体が限界を訴え始めていた。

 ふと、理性が飛び始めると、クラウドの脳裏に先ほどのザックスとのやり取りが蘇った。





『ごめん…今だけ…頼む』





−−−ザックス…







「お前が、際中に考え事とはな」

「…ふあぁっ…!」



 突然、増やされた指が侵入してきた。
 飛びかけた思考が、強引に現実に引き戻される。

 一杯に広げられた、クラウドの後孔が悲鳴をあげた。
 けれど、それも一瞬のことで、すぐに激しい快感が底から湧きあがってくる。





「んぁあっ…セフィ…」

「ザックス…か」







 セフィロスは、最初から気付いていた。

 自分の呼び出しにクラウドが遅れることなど今まで無かった。
 電話口で動揺する声、姿を見せれば消しきれていないザックスの残り香。

 クラウドの意識の先に、ザックスがいることを。




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