World725


拍手お礼SS4:CLAPお礼文
キスの意味(FF7)



−ザックスside−


 俺の腕の中で、細い方を震わせて耐えるクラウド。
 薄く開いた瞼の隙間から見えるクラウドの顔は、雪のような肌に少しだけ赤く頬を染めていた。

 少し意地悪をするように、花びらのような唇に差し込んだ舌を深く差し入れた。
 逃げ惑うクラウドの小さい舌を捕らえて、刺激する。


 眉を潜めて苦しげに、力の入らなくなったクラウドは俺の腕に必死にしがみついてきた。
 その仕草があまりに愛しくて・・・俺は唇を離すとぎゅっと腕の中のクラウドを抱きしめた。



「ザ・・・ザックス!」
「何だ?」
「な・・・何って・・何するんだよ!」



 クラウドは、キスの衝撃から醒めるや否や、腕の中で暴れだした。
 俺は、そんなクラウドがさも可笑しそうに言ってやった。



「何ってキスだろ?」
「キ・・キスって・・・恋人同士がするもんだろ!?」
「そうか?」
「え・・・?」


 俺が余りに素で返すから、クラウドは急に語気を緩めて戸惑うように動かなくなる。
 俺は、腕を解いてクラウドの肩を掴むと覗き込むように言った。



「キスってさ、好きなやつとか大事なヤツとかに普通にするぜ?」
「そ、そうなのか・・?」
「クラウドはそういうの苦手そうだからな」



 そんな風に言ってやると、怒ったように頬を膨らませて俺をにらみつける。
 堪らないな・・・。


「ああ、そうさ。」
「そうか・・・」



 俺の言葉に納得しかけているクラウドに、追い討ちを駆けるように言ってやった。


「キスの深さが特別の度合い。俺達、親友だろ?」
「あ・・・うん。」



 ごめんな、クラウド。
 騙すようなことしてるって分かってる。

 でも、もう少しだけ俺に独占させてくれよ。
 いいだろ?







セフィロスsideへ

Novel-5-へ