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キスの意味(FF7)
−ザックスside−
俺の腕の中で、細い方を震わせて耐えるクラウド。
薄く開いた瞼の隙間から見えるクラウドの顔は、雪のような肌に少しだけ赤く頬を染めていた。
少し意地悪をするように、花びらのような唇に差し込んだ舌を深く差し入れた。
逃げ惑うクラウドの小さい舌を捕らえて、刺激する。
眉を潜めて苦しげに、力の入らなくなったクラウドは俺の腕に必死にしがみついてきた。
その仕草があまりに愛しくて・・・俺は唇を離すとぎゅっと腕の中のクラウドを抱きしめた。
「ザ・・・ザックス!」
「何だ?」
「な・・・何って・・何するんだよ!」
クラウドは、キスの衝撃から醒めるや否や、腕の中で暴れだした。
俺は、そんなクラウドがさも可笑しそうに言ってやった。
「何ってキスだろ?」
「キ・・キスって・・・恋人同士がするもんだろ!?」
「そうか?」
「え・・・?」
俺が余りに素で返すから、クラウドは急に語気を緩めて戸惑うように動かなくなる。
俺は、腕を解いてクラウドの肩を掴むと覗き込むように言った。
「キスってさ、好きなやつとか大事なヤツとかに普通にするぜ?」
「そ、そうなのか・・?」
「クラウドはそういうの苦手そうだからな」
そんな風に言ってやると、怒ったように頬を膨らませて俺をにらみつける。
堪らないな・・・。
「ああ、そうさ。」
「そうか・・・」
俺の言葉に納得しかけているクラウドに、追い討ちを駆けるように言ってやった。
「キスの深さが特別の度合い。俺達、親友だろ?」
「あ・・・うん。」
ごめんな、クラウド。
騙すようなことしてるって分かってる。
でも、もう少しだけ俺に独占させてくれよ。
いいだろ?
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