拍手お礼SS1
「泣ける映画BEST100」
『例え命尽きようとも…私は貴女を愛し続けるでしょう』
『別れの挨拶みたい…そんなの止めて下さい』
『…名残惜しいけれど、私は旅立たなくてはなりません』
『どうか…ご無事で…。』
物悲しいメロディと共に、軍服に身を包んだ男が立ち去る後ろ姿が映し出された。それを見送る礼服を着た女が涙に暮れている。
そのままシーンは切り替わり、軍服の男が戦場に足を踏み入れていた。激しい死闘が繰り広げられる。
幾人もの兵士達が剣や銃を振るい、殺し合う。指揮官であるらしいその男は、号令をかけ更に敵陣への追い討ちを命じた。
しかし、戦況は思わしくなくどんどん敵勢に押されていく。
「あ…!」
そして、軍服の男も背後から詰め寄る敵兵に胸を貫かれた。
プツっ
突如、映像が途切れた。
その男が倒れたのか、それとも無事だったのか…確認する間も無かった。
クラウドがはっと視線を上げると、テレビのリモコンがセフィロスの手に握られていた。
「セフィ…!」
「くだらん」
頬を膨らませるクラウドに、セフィロスは不服そうな顔でこたえる。
「どうして?」
「先が分っているからだ」
「セフィ、この映画みたことあった?」
セフィロスは、クラウドの質問には答えずテーブルの上に広げてある雑誌に目をやった。
『泣ける映画BEST100』
ここ数日、2人の休みが重なるとクラウドが借りてきた映画を見ていた。
映画のタイトルは、この雑誌の特集記事の上からの順番なのだ。
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