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晶様リク
「こんなのあり!?」普段とキャラ違うセフィ(クラ)に戸惑うクラ(セフィ)
「あ、あのさ…俺、用事あるから先帰ってて」
セフィロスは、表情には出さないが内心はかなり驚いていた。
明らかに一般兵と英雄では、忙しさが違う。
いつだって一緒に過ごすためになんとか時間を合わせ、予定をずらしてくれたのはクラ
ウドだった。
そんなクラウドから、せっかく一緒に帰れそうな日に自分以外の用事で一緒に帰らない
と申し出るとは。
「…用事とは?」
「あ…ぇ…それは…」
仕方ないとは言え残念な思いに代わりはない。用事次第では、自分がクラウドに合わせ
るなりなんなりと考えたのだが。
クラウドの返事は曖昧。
「…?」
「たいした用事じゃないよ…ちょっと寄るところあるだけだから」
訝しむセフィロスの視線から逃れるように、それだけ言い残すとクラウドは慌てて今日
の訓練に出掛けていった。
セフィロスはセフィロスで、その態度にますます違和感を感じてはいたが…自分も任仕
事に行かなくてはならないため仕方なくそれを頭の角に追いやった。
(…もうこんな時間か…)
最後の会議を終え、ふと時計に目をやるといつもなら社を出る予定の時間だった。
本来なら、自分専用のオフィスに戻れば待ちわびたとばかりにソファにちょこんと座るクラウドが待ち構えている筈だった。
しかし、今日は事情が異なる。
朝のやり取りを思い出し、なんとなくまっすぐ帰る気分ではなくなっていた。
仕方なく神羅ビルをふらりと歩き出すと、偶然か聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。
驚くと同時に反射的に物陰に身を隠し気配を殺した。
「で…英雄様には何て言ってきたんだ?と。」
「別に…ただ、用事。」
独特の口調から、一緒に居るのはタークスらしい。
どうやら訓練中というわけでも、任務の話し合いというわけでもなさそうだ。
今更ながらセフィロスは、何故自分がこんな盗み聞きのようなマネをしなくてはならないのかと思いながらも、再び耳を澄ました。
「ふーん。まぁいいっか…とにかく、俺の言ったとおりにして、英雄様の浮気現場とやらを確かめるンだな」
「…。」
親しげに、ややいやらしげにそう告げるとレノはクラウドの肩を叩いてその場を後にした。
クラウドは、それに答えることなく近くにあるソファに力なく観を静めると、両手で顔を覆った。
(…私の浮気現場…?)
少なくとも、クラウドという愛しく大事な存在が出来てから、自分の周りに疑われるような人間を置いたことは無い。
しいて言うならザックスぐらいだが、どちらかといえばあれはクラウドのための私の見張り役だ。
再びクラウドに視線をやれば、肩を震わせている。…泣いているのかもしれない。
クラウドが自分には離せない悩みを抱え、自分の見えないところで声を押し殺して泣いている。
クラウドの恋人として、自分がクラウドを護る立場として、これほど無力感に襲われる時は無かった…。
どうクラウドに声をかけ様かと躊躇っていると、クラウドは意を決したように立ち上がった。そして、どこかへ向かい歩き出した。
仕方なく、セフィロスは先ほど同様気配を殺したままクラウドの後を追った。
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