綟架様へ
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『一人前の空賊』(バルヴァン)
・・・ きっかけはバルフレアの些細な一言だった。
***
俺だって一応男だ!
俺だって一人前の空賊だ!
かなり飲んで酔っ払ったせいか顔が赤く少し眠そうなバルフレアの手首に、もっと酔って気の大きくなった俺は酔いに任せて自分のバンダナを結んで一纏めにしてやった。
「ヴァン・・・!」
「いいから!」
聞き慣れないバルフレアのチョットあせったような声が、俺の興奮を書きたてたのは事実。
俺は、バルフレアを一括すると戸惑うバルフレアを無視してズボンを脱がしにかかった。震える手でベルトをはずし、ファスナーを下ろす。
ズボンと下着を下げ取り去ると、バルフレアの熱が息づくそこへ顔をうずめた。
少しだけ勃ち上がったバルフレア自身に舌を這わせ、舐め挙げて愛撫を施す。
「・・ヴァン・・・」
頭上でバルフレアの熱い吐息が漏れた。俺はその声にあおられるように、バルフレア自身を先からそっと口に含んだ。
ビクっとバルフレアの太ももが震える。
バルフレアが自分に感じてくれているのかと思うと、身体の奥から熱いものがこみ上げてきた。
「・・・ふぁ・・・んむっ・・・」
「ヴァン・・・」
どんどん口の中で大きくなるバルフレアが、喉を圧迫してやや呼吸が苦しく感じてきた。舌の先にも何か苦いものを感じる。
俺は、それを舐め取るようにして激しい愛撫を繰り返した。
ちらりと視線を上にあげると、少し苦しげに顔をゆがめたバルフレアが居た。俺はその顔に背筋からぞくぞくとする不思議な感覚を覚えた。
「ヴァン・・・口はな・・・せ・・・」
バルフレアが縛った両手を俺の頭に添えてきた。それは口を離せっていうつもりだったんだろうけど、縛られた手では効果を為さなかった。
俺は、少し先端に歯を当てながら強めに吸い上げた。
「くっ・・・」
「ん・・・・!」
バルフレアの身体がびくっと痙攣すると、俺の口の中に熱い飛沫が広がったのが分かった。
俺は、それをなんとか喉の奥に送り込んで飲み込んだ。
「・・・んはぁ・・・ヴァン・・・」
少し気だるげに俺を見るバルフレアのその顔は・・・すごくいやらしくて。俺はますます興奮した。
気だるそうなバルフレアを押し倒すと、唇を寄せてキスをした。もっと深い口付けをしたくて、俺はバルフレアの顎に手を添えた。
いつもはされるばかりのキスだったけど、俺はそっとバルフレアへ舌を差し入れた。そこにある、バルフレアの熱い舌を見つけると、それを絡め取るように口付けを深くした。
「・・・はぁ・・・んんっ・・・バル・・・」
「・・・ヴァン・・・」
いつの間にか、俺は一まとめにされたバルフレアの腕の中に納まっていた。
バルフレアはその腕で俺を引き寄せると、もっと深く舌を差し入れてきた。
気がつけば自分からはじめたはずのキスは、バルフレアに吸い上げられるように舌を愛撫され、俺はされるがままになっていた。
「・・・んはぁ・・・バル・・・」
「もう、満足だろう?コレはずせよ・・・」
「!・・・だめ!・・・」
その一言で、目が覚めたように俺は再びバルフレアの腕を頭上に上げさせると今度は上着を脱がせにかかった。
バルフレアの着やせする胸板が現れると、そこを愛しげに唇でなぞるように愛撫した。
「・・・くっ・・・」
バルフレアが身じろいだ。
俺は、そっと自分の下半身の衣服を取り去った。この状態だと・・・バルフレアを受け入れるためには自分でそこを解すしかない。
普段だったら絶対考えられないことだけど、熱くなった俺は自分でも止められなかった。
バルフレアの口の中に俺の指をそっと差し出すと、バルフレアは考えを読み取ったかのように俺の指にしたを絡めた。
バルフレアは、俺を煽る様にいやらしい視線を送りながら舌を動かす。
俺は、まるで自分自身がバルフレアに舐め取られてしまうような錯覚を感じて身震いをした。
そっと、バルフレアから指を引き抜くと自分のそこにあてがった。
「ふぁぁあっ・・・」
つぷんっと、飲み込まれる指。
初めて触れるそこは、想像以上に熱くきつくてびっくりする。
俺はその苦しさに、少しだけ涙をこぼした。
その様子を見かねたバルフレアが声をかける。
「ゆっくり・・・そっとだ・・・無理するなよ」
「ふぁ・・・苦し・・・バル・・・」
1本でもこんなに苦しいものなのか?
力の入らなくなった身体で、必死にバルフレアに掴りながら片方の手でなんとか自分に触れるけれど・・・
バルフレアがするようには、うまくそこは解れてくれない。
−−−どうして・・・?
思うようになってくれない焦れったさが、なぜか急に『悲しい』気持ちに変換された。
俺は、そのままバルフレアの腹の上で涙をこぼし始めた。
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