World725




蒼流様へ
40000hitキリリク小説
『Believe me』(SC+オリキャラ)




注意:オリキャラが登場します。
苦手な方はご注意ください!





「暫く、コイツをこの部屋にかくまってやってくれないか」



 セフィロスの背後から現れたのは、かつてのエリート一般兵、現在は立派にソルジャークラス3rdとなったグランスという少年。
 突然セフィロスと2人だけの空間に出現した彼に、俺は驚きを隠せなかった。



「クラウド、俺はグランス。よろしく。」



 受け入れるか受け入れないかなんて、考えてる余裕も与えら無かった。
 けれど、俺の戸惑いなど気にも掛けない様に、グランスから差し出された手が思ったよりしっかりしていたことと、その整った顔からこぼれる笑みがあまりに無邪気だったから・・・
 俺も何となく手を差し出して、握り替えした。

 
 それが俺たちの出会いだった。


 グランスが、俺とセフィロスの生活する部屋に転がり込んできたのには理由があった。

 最近、ソルジャーや一般兵の中にも素行の悪い連中が増えていた。そんな矢先、グランスたちがいる寮で暴動が起きて、寮一棟がその暴動のせいで出入り禁止になってしまったのだ。

 元々グランスを気に入っていて身近にセフィロスはグランスを何かと身近においていたから、行く先の無くなった彼を見かねて、セフィロスが「俺の護衛もかねて・・・」と暫くの間、この部屋に呼んだらしい。



「では、俺はまた任務に行かねばならない・・・。グランス、クラウドを頼んだ」



 その日それだけ告げると、セフィロスは慌しく部屋を後にしてしまった。
 突然、初対面のグランスと2人きり部屋に取り残され、俺は戸惑っていた。
 ただでさえ人見知りだったし、グランスへの思いはなんとなく複雑なものがあった。

 思い返すのは、セフィロスの帰還パレードでのワンシーン・・。



「クラウド・・・そんなに緊張しないで。セフィロスと居るように、俺と居るときもリラックスしてよ」
「あ・・・うん・・・」



 最初は2人きり、こんなぎこちないやり取りから始まったと思う。
 けれど、グランスの見かけに寄らないひどく人懐っこい性格と、俺とグランスの年が近いせいもあってか俺達はあっという間に打ち解けていった。






***






「クラウド、セフィロスはまだ?」
「うん・・・今回の遠征は、ひどく長引いてるんだって」
「そうか・・・俺も付いていけないほど重要な任務だし、仕方ないか」




 月日はあっという間に流れて、グランスの寮も元の状態に戻っていた。
 けれど、なんとなくグランスもココにいたし、誰かが出て行くことも催促するようなこともなかったので、変わらずの毎日を過ごしていた。

 俺にとっては、不在がちなセフィロスを1人で待つ時間に、一緒に過ごす友達が出来た。
 そんな感覚だったと思う。



 けれど・・・今日は違った。






NEXT

Novel-4-へ