アンチロ様へ
6000hitキリリク小説
『捩れた関係』(セフィクラ)
注意:少し描写が気持ち悪いところあります
閲覧の際は、ご注意ください。
「何故…そんな事をしたっ…」
セフィロスが激しい怒りを自分にぶつけて来た。自分に対しては、いつだって甘く優しく接してくれたのに…。
冷静沈着、完璧とまで言われる人が、その奥に熱く深い情熱を持っていて…それを自分に向けていてくれる事は知っていた。
それが、いつかこんな形で怒りの刃に姿を変え自分に向けられる事を…俺は分かっていたのだろうか。
「言い訳すら無しか…?」
「うぐっ…」
無言を貫く俺に痺れを切らしたように、物凄い力で俺は首を締め上げられた。
「お前なら、その行為が私にとってどれ程の屈辱で裏切りか…分かっていた筈だ」
酸素不足で白くなる意識をなんとか繋ぎ合わせ、セフィロスの言葉を拾い集める。
その言葉だけが今の自分の生きる手掛かり。
この言葉が終われば、自分の存在意義も・・・終わる。
「よりによって……。お前だけは違うと信じた私が馬鹿だったということか。」
「ち、ちがっ…」
セフィロスが俺を責めるのはいい。でも、自分自身を責めてほしくはない。
しかし、漏れる息に乗せた言葉は掠れていて届かない。
そして、そのまま俺の意識は途切れた…。
***
『セフィロスが私を憎んでおるのは知っておろう?』
『…。』
『あやつは、素晴らしいサンプルでありながら聞き分けがなく使いにくい。』
『…。』
『時に…お前は、あやつにいたく気に入られているようだな?』
『…。』
『そして、お前も。…どうだ、取引しようではないか。』
『…。』
『お前がセフィロスの身代わりにその身を差し出し実験に協力すれば…セフィロスが機嫌を損ねる実験を減らそう』
『…。』
『あいつがどれだけ私の実験を嫌悪しているか知っておるだろう?無力なお前でもセフィロスの役に立てる…またとない機会だ。悪い話ではあるまい?』
−−−それは、悪魔の囁き。けれど・・・俺は抗えない。それが、あの人の為になるならば・・・。
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