World725




弦夢月仁様へ
73333hitキリリク小説
お題:ザックラで甘辛い二人‥裏有り
『リセット』



「ただいま」

「おかえり・・・」





 訓練で重たくなった全身を引きずるようにして、部屋に戻った。
 先に戻っていたのは、ザックスのほう。




「早かったんだね」

「まーな」



 何となく、部屋を見回すけれど何かされた気配はない。


---早く帰ったほうが、なるべく家事やろうな


 そんな約束をして、一緒に住み始めたのはちょうど1年前。
 毎日起こる出来事を報告しあって、他愛もない会話を笑って過ごしてたのも、すっかり昔のことのように感じた。


 当のザックスは、こちらに顔を上げることもなく、背を向けてソファに身を沈め、何やら雑誌を読みふけっている。
 そんな背中に何か声をかけてこっちを見て欲しい・・そんな、風にまだ思う心がある自分に驚く。
 けれど、改めてかける言葉が出てこなかった。

 
 クラウドは、小さく苦笑をもらすとシャワーを浴びるためにその場を後にした。


 そんなクラウドの気配が遠ざかるの感じると、ザックスはそっと雑誌から視線を上げると、先ほどまでクラウドがいたその場所をじっと見つめていた。





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