弦夢月仁様へ
73333hitキリリク小説
お題:ザックラで甘辛い二人‥裏有り
『リセット』
「ただいま」
「おかえり・・・」
訓練で重たくなった全身を引きずるようにして、部屋に戻った。
先に戻っていたのは、ザックスのほう。
「早かったんだね」
「まーな」
何となく、部屋を見回すけれど何かされた気配はない。
---早く帰ったほうが、なるべく家事やろうな
そんな約束をして、一緒に住み始めたのはちょうど1年前。
毎日起こる出来事を報告しあって、他愛もない会話を笑って過ごしてたのも、すっかり昔のことのように感じた。
当のザックスは、こちらに顔を上げることもなく、背を向けてソファに身を沈め、何やら雑誌を読みふけっている。
そんな背中に何か声をかけてこっちを見て欲しい・・そんな、風にまだ思う心がある自分に驚く。
けれど、改めてかける言葉が出てこなかった。
クラウドは、小さく苦笑をもらすとシャワーを浴びるためにその場を後にした。
そんなクラウドの気配が遠ざかるの感じると、ザックスはそっと雑誌から視線を上げると、先ほどまでクラウドがいたその場所をじっと見つめていた。
NEXT
Novel-4-へ
・