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ZERO様へ
74444hitキリリク小説
お題:幸せいっぱいなセフィクラ
『プロミス』



 少し早めに訓練が終わって、施設を出ると外はすっかり暗くなっていた。



−−−やっぱり、冬だな・・・


 12月も真ん中を過ぎて、冬であることもこんなに日が暮れるのが早いことも当然なのに改めて呟いてみた。
 クラウドは、時計を見て時間をしっかり確かめると、足早にあの人の部屋へと向かった。



 悴んだ手を何とか動かして、セキュリティキーを開錠すると、まだ主の居ない部屋へそっと足を踏み入れた。
 今日は、セフィロスも早く戻ると言っていた。

 都合よく自分も早く訓練が終わり、ひさびさにゆっくり過ごせる2人の時間が持てる喜びに幸せを感じた。
 暗闇の部屋に明かりをともすため、スイッチを手探りで探す。

 すると、視線の片隅にこの部屋の窓から見える夜景が飛び込んできた。
 ビルの光や街のイルミネーションがキラキラと浮かび上がり息を呑むほど幻想的だ。



−−−綺麗・・・
 


 その夜景に目を奪われたまま、クラウドは窓にそっと歩み寄る。
 近寄れば近寄るほど、自分がそのイルミネーションの吸い込まれてしまいそうな感覚に襲われる。

 それもいいのかな・・・などという思いがよぎったときだった。




「クラウド」



 いつの間に戻ってきたのであろう、部屋の主がそこにいた。
 その腕が伸ばされ、あっという間にクラウドの身体はセフィロスの腕の中に包まれてしまった。



「びっくりした・・・おかえり」

「ああ・・」



 何だかいつもの声色ではないような気がして、クラウドはそっと視線を上げた。
 そっとセフィロスを伺い見ると、真剣に自分を見つめるセフィロスの視線にぶつかった。




「どうしたの?」

「いや・・・」




 少し言いにくそうにしてから、セフィロスはさらに腕に力を入れると言葉を続けた。



「何だか、お前が・・・夜景に溶けて消えそうに見えた」

「え・・・?」



 驚いた。
 だって、確かにそのとき少しだけ「溶けてしまってもいい」かなどといういう気持ちが浮かんでいたから。
 けれど、それはほんの一瞬。



「セフィが・・・居ない世界なんて無理だよ」





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