『背を向ける痛み』
「く、くっつきすぎ・・・!」
誰に見れらるか分からない飛空挺の廊下を、これでもかっていうくらいヴァンに密着して歩くバルフレアに、とうとうヴァンが叫んだ。
「どうせ、みんなもう寝ちまってるさ」
「な・・・そういう問題か!?」
さっきまであんなに大騒ぎしておいて・・・という気もしないでもないけど。
バルフレアは、そんなヴァンの懸念をよそにヴァンを半ば引きずるようにして操縦室へ向かった。
ピピ・・・ピー・・
オート操縦モードで自動旋回を行っている飛空挺の機械音とは別に、バルフレアが操作パネルに向かって何やらキーを入力していた。
やはり、その横顔はずっと憧れてきた空賊バルフレアのそれで・・・その姿を真横で見る奇跡のような真実に、ヴァンは高鳴る胸を押さえられなかった。
ヴァンの視線を横目に感じながら操作を終えると、ヴァンを見返そうと顔を上げた。
そこには、憧れや羨望もまぢったきらきらとまっすぐ自分を見つめる瞳があった。
「そんな瞳で見つめるなよ・・・照れるだろ?」
「な・・・!」
「ロック完了だ」
え?と、先ほど入ってきた入り口のセキュリティライトが落ちている。
「邪魔者はいない・・・あとは、この絶景を堪能しようぜ」
さらに順を追って、徐々に操縦室の照明が落とされていく。すると昼間、操縦席を取り囲む窓から見えたラバナスタを足元に満点の星空が浮かび上がってきた。
「うわぁ・・・すごい・・・」
「だろ?」
「うん」
バルフレアはそっとヴァンの後ろに回りこむと、そっとヴァンを抱え込むように抱きしめた。
そしてそっと耳元で、囁いた。
「昼間の話覚えてるだろ?」
「え?」
「『真夜中にここでセックスしたら、さぞかし感動だろうな?』ってさ」
「な、じょうだ・・・んぁっ・・・」
慌てるヴァンを尻目に、そっと上着から忍び込ませた手のひらでヴァンの上半身を撫でた。
たまらず、ヴァンは身体をしならせ声を漏らす。
さらに、首筋に口付けを落としながらさらに、大胆に肌をなぞるように手を動かした。
「あっ・・・バル・・・んんっ・・・」
腕の中で、与えられる刺激に耐えるようにしているヴァンを横目に、もっと喘がせたい・・・と、バルフレアは胸の飾りを指でこねるように刺激した。
「ぃやっ・・・ん・・・」
ヴァンは直接的な刺激に高い声を上げると、自分の声に驚いたように慌てて手で口を押さえる。
「・・・っんん・・・」
「ヴァン・・・声聞かせろよ」
耳元で熱っぽく囁かれると、体中に電流が走ったかのようにびくりと震える。
さらに追い討ちをかけるかのように、耳たぶを甘噛みして熱い吐息をかけると、ヴァンの身体は力が抜けたようになり手が降りて行った。
抑えのなくなった唇からは、とめどなく甘い吐息が零れ落ちた。
体中の力も抜けて、立っていることもままならない。
「・・バルフレァ・・・もぉ・・・・」
「あぁ」
ヴァンの催促をOKの合図とばかりに、バルフレアはヴァンをそっと抱き上げると操縦席にヴァンを抱えたまま座った。
「え・・・?」
無言でヴァンのベルトとズボンをくつろげると、首筋に甘く噛み付きながらヴァン自身に手を添え、優しく刷り上げた。
「あぁっ・・・バルぅ・・・ゃ・・」
急に与えられた直接的な快楽に、ヴァンの息が追いつかない。急にこみ上げる熱の塊が、身体の奥から出口を探して暴れまわるみたいだった。
「ヴァン・・・腰ゆれてるぞ」
「・・・んぁっ・・見ないでぇ・・・」
「厭らしいな」
耳元で低く笑うと、バルフレアは追い上げるように愛撫を激しくする。
「あぁっ・・・でちゃ・・・バルっ・・・!」
「いっちまえよ」
「ぃやっ・・・あぁぁあーーっ!」
バルフレアの手のひらに熱を吐き出すと、ぐったりしたように再び腕の中に身を沈めた。
「・・あ・・」
ふと、自分の身体の下でバルフレアの熱くたぎる存在を認識する。
「当然だろ?」
耳元で熱っぽくささやいて、バルフレアは喉の奥で妖しく笑った。
そんなことでも、、俺の身体はまた熱くなってしまう。
「・・・ふぁぁっ・・・」
バルフレアは、手のひらに受けたヴァンの精を指に絡めて奥で息づくヴァンの蕾にそっと指を伸ばした。
少しずつ愛撫を加え、そっと指を忍ばせると、その内壁は最初の強張りを徐々に溶かしてバルフレアの指を離すまいと絡み付いてきた。
「ぁっ・・・うぅん・・・ぃやっ・・・」
バルフレアの指か、敏感な個所をかすめるたびビクビクとヴァンの腰が震えた。
先ほど熱を開放したヴァン自身も再び熱を取り戻し、雫をこぼしはじめていた。
NEXT
Novel-3-へ
・