『ともに生きる』
「ガイを信じるよ・・・。」
心のどこかで期待していなかった、と言ったら嘘になる。
コイツは、ルークであってルークじゃない。本当のルークは、今のアッシュであった筈だ。
なのに、今の俺にはルークだ。
だからこそ、そこに揺ぎ無い信頼や確信が必然と生まれていた。
それは、結局アッシュのレプリカだから・・・なんていう無粋な考え方もあったかもしれないが。
俺はそんな性分じゃない。
「ありがとうな、ルーク。」
そういうと、ルークは恥ずかしげに笑いながらこう言った。
「俺を信じて、迎えにまで来てくれたのはガイのほうだろ」
「はは。当然だろう。」
確かに俺は、復讐という使命を果たすためここまで来た・・・つもりだった。
でも、それは違った。
確かに辛い過去を背負ってきたが・・・それは、俺だけじゃない。被害者意識だけじゃ何も生まれないと・・・結局俺は、ルークに教えられちまった。
馬鹿だな、俺。
「さぁ、行こうか。」
「うん」
こうやってまた、ルークとの旅は少し俺を大人にする。俺はお前とこうやって、ずっと歩いて行けたらいいと願わずにはいられないよ。
そんな願いが、お前を悲しませると分かっていても・・・。
END
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