World725

『ともに生きる』



「ガイを信じるよ・・・。」

 心のどこかで期待していなかった、と言ったら嘘になる。
 コイツは、ルークであってルークじゃない。本当のルークは、今のアッシュであった筈だ。
 なのに、今の俺にはルークだ。

 だからこそ、そこに揺ぎ無い信頼や確信が必然と生まれていた。
 それは、結局アッシュのレプリカだから・・・なんていう無粋な考え方もあったかもしれないが。
 俺はそんな性分じゃない。
 

「ありがとうな、ルーク。」


 そういうと、ルークは恥ずかしげに笑いながらこう言った。


「俺を信じて、迎えにまで来てくれたのはガイのほうだろ」
「はは。当然だろう。」


 確かに俺は、復讐という使命を果たすためここまで来た・・・つもりだった。

 でも、それは違った。
 確かに辛い過去を背負ってきたが・・・それは、俺だけじゃない。被害者意識だけじゃ何も生まれないと・・・結局俺は、ルークに教えられちまった。
 馬鹿だな、俺。


「さぁ、行こうか。」 
「うん」


 こうやってまた、ルークとの旅は少し俺を大人にする。俺はお前とこうやって、ずっと歩いて行けたらいいと願わずにはいられないよ。
 そんな願いが、お前を悲しませると分かっていても・・・。




END



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