『約束』
「そいつを持っていけ・・・ルーク。」
崩れ落ちるように膝を突いたアッシュに駆け寄ったルークの肩を強引に引き寄せ、アッシュは告げた。
扉の外では、オラクル兵の膨大な足音が近づいてくる。
傷が痛むのか、アッシュは傷ついた腕を抱えて呻いた。
「・・・くっ・・・」
「アッシュ!大丈夫か」
自分がこんなこと言うのもおかしい、とどこか冷静な頭でルークは思った。アッシュを傷つけたのは自分なのに。
「俺には時間が無い・・・行け!」
そういうと、ルークを突き飛ばすようにアッシュは立ち上がった。肩で息をするアッシュを呆然とみつめ、しかし涙で曇る視界にアッシュが良く見えない。
「ここだ!ここにいるぞ!!」
扉の外からオラクル兵の声が聞こえる。
いよいよだ。
「ここは俺がくい止める!早く行け!」
「俺も一緒に戦う!」
無理だって分かっていた。
でも、この言葉を口にして困らせずにいられない。
アッシュと過ごす一瞬を、どうして奪われなくてはならないのか。
「ざけんじゃねぇ!!
今大事なことはここの奴らを一掃することか?
・・・違うだろうが!」
「だけど俺が鍵を持っていったらおまえの武器は…」
「そんなものは敵から奪えばいい!早くしろ!」
出口の扉へ向かうため、立ち上がる。
背を向けたまま、ルークは叫んだ。
「…約束しろ!必ず生き残るって! でないとナタリアも俺も…悲しむからな!」」
ルークは、アッシュへ口付けた。多分それは、本能。
これ以上想いを伝える術を知らなかったルークが、アッシュへ想いうを伝える最上の手段だった。
突然の出来事に驚愕の表情を浮かべるも、すぐさまルークに口付けを返す。
「・・・アッシュ・・・」
「約束は、守る。」
「・・・うん!」
走り出したルークは、もう、振り向けなかった。
いや、振り向かなかった。
また会えるアッシュを信じて、ルークは走り出した。
「そこをどけ!」
「…断る。おまえらの相手はこのアッシュ―いや…ルーク・フォン・ファブレだ 覚悟しな!」
END
なんて展開を妄想する私。
ルークとアッシュには、こういう兄弟+友情+ライバル=恋愛以上の特別な感情
みたいな関係でいてもらいたいと思う私なのでした。
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