『夏バテにはご用心。』(おまけ)
すぐさまバルフレアは、自分がとっていた宿に俺を連れて行った。
時間がたつに連れて、さっきの変な飲み物の効果は切れつつあったけど、まだまだ効果抜群。
「バル・・・苦しっ・・・んはぁ・・・」
「しっかりしろよ、今楽にしてやるからな」
バルフレアは、俺をベッドに横たえると全ての衣服を取り去った。
じっと俺を見つめる視線に、恥ずかしくて身をよじろうとしたけど、バルフレアはそれを許さなかった。
「アイツの跡は・・・残ってないようだな」
「う・・・ん・・・」
「・・・アイツに何された?」
ちょっと低く怒りを含んだような声で言うから・・・俺はびっくりして閉じていた瞼を開いた。
バルフレアは・・・あんなことされた俺にあきれたのかな?怒ってるのかな・・・
「ばーか、お前に怒ってるわけじゃない」
不安に揺れる瞳で問いかけた俺に、バルフレアは安心させるように優しく頬を撫でてくれる。
「怒らないから・・・言ってみろ」
「うん・・・胸とか脇腹・・・触られて・・・」
「ああ・・」
バルフレアは、俺の言葉をなぞるように同じ行動をした。
長く男らしい指先で、俺の体の線をなぞるように愛撫しながら這わせる。俺の身体は、たったそれだけのことにもびくびくと震えて熱い息を零してしまった。
「・・あんっ・・・」
何度も肌を往復した指先が胸の飾りに到達すると、それをこねるように押しつぶす。
強い刺激のあとは、今度は羽が触れるようにそっと撫でる。
そして、ぷくりと立ち上がったそれにバルフレアの唇が降りてきた。
「ゃっ・・・バル・・・」
唇で吸い上げるようにされ、舌で舐られ・・・甘噛みされる。それぞれの刺激は、敏感になりすぎた俺の身体には強すぎる。
俺は、バルフレアの頭に必死にしがみ付いた。
「・・・ひゃぁ・・バル・・・もっ・・・」
「ヴァン・・・アイツにもこんな姿見せたのか?」
「や・・・そんな・・・ない・・・」
飾りに唇を寄せたまましゃべられると、唇や歯があたってますます俺は感じてしまっていた。
「・・・じゃ・・・他には?これだけじゃないだろ?」
「ん・・・あと・・・下・・・」
「ここか?」
「ゃぁああーっ・・・」
すでに下着まで下ろされたそこは、胸の刺激だけで十分立ち上がり蜜を零していた。
そこを、直接にしかもやや強めに掴まれて、俺はのけぞるように感じてしまう。
「いやらしいな・・・どこまでされたんだ?」
「ゃっ・・・服のう・・・上からだけ・・・だから・・・」
バルフレアの手を引き剥がそうと、一生懸命手首を掴むけれど。
しきりに動かされ、そこから生まれる快感に全然力が入らなかった。
「じゃ、消毒はここまでだな」
「・・・え・・・?」
熱に浮かされた顔のまま、俺はバルフレアを見上げた。
バルフレアは心なしかすっきりしたような顔をしている。
「俺だって、面白くないんだぜ?あっさり人のもんに手つけられて」
「・・・ごめん・・・」
「お前も苦しんだだろ・・・もう、この話はここまでだ」
そう言うと、バルフレアは俺の両足を軽々と自分の肩にかけた。少しだけ浮いた腰は、まるでバルフレアの前に俺のソレを差し出して期待に震えているようにも見えた。
バルフレアの視線を感じて、そこはどんどん蜜を零していく。
「やぁ・・はずかしーよ・・・バル」
バルフレアはお構い無しに、俺の脚の間に顔をうずめると俺自身を口に含んだ。
バルフレアの口腔の中で、そこから自分が溶け出してしまうかのような錯覚すら覚える。
「ひぁぁっ・・・あっあっ・・・」
そんな風にしたくはないのに・・・自然と腰が揺れてしまう。
バルフレアは、片方の手で俺自身を支えながら後ろにある袋をやわやわと刺激する。
さらに、もう片方の手に俺とバルフレアからこぼれた蜜を絡め取り、奥に息づく蕾へ指を進入させた。
「・・・んぁああっーー・・・」
指の進入に驚いた俺の内壁は、それを拒絶するように硬くなる。
しかし、時間がたつに連れてその存在に慣れてきたのか、今度は奥へ奥へと誘うようにうごめきだす。
気がつけば指は増やされ、もう3本も飲み込んでいた。
「力を抜け・・・ヴァン・・・」
熱っぽいバルフレアの一言で、俺は少しだけ力を抜く。
すると、既に熱く溶かされたそこにバルフレアの熱く滑った楔が押し当てられた。
「・・・あっ・・・あつい・・・」
「まだまだ、これからだ・・」
「ふっ・・・んぁぁぁーーっ・・・」
指とは比べ物にならない、圧倒的な存在感が俺の中に押し入ってくる。
それは、指では届かなかった俺も知らない最奥へとどんどん突き進んでいく。
「ぁぁ・・・ふかぃ・・・」
全てが収まりきると、バルフレアは待つことなく激しい律動を開始した。
俺の一番敏感な部分をまるでわざと避けるかのようにして、俺の中をバルフレア自身がこすり上げた。
「あっあっ・・・バル・・・」
「なんだ?」
絶対わざとだ・・・意地悪で余裕のある笑みを浮かべて、バルフレアが問いかけてきた。
でも・・・俺は限界で。悔しいけど、バルフレアに素直にねだることしか出来なかった。
「ふぇっ・・・バル・・・ちょうだい・・・もっとぉ・・・」
「ふ・・・そんな風にお願いされちゃ・・・やるしかねーな」
珍しく余裕の無い顔を見せて、バルフレアはぐっと俺の中に俺自身を沈めると俺の一番敏感なところを狙って、激しい律動を始めた。
「あぁっ・・・バルぅ・・・も・・・」
「あぁ・・いけよ、ヴァン・・・」
「バル・・・いくっ・・・あぁーーーー!」
俺の絶頂に合わせたかのように、バルフレアが放った熱が俺の最奥に叩きつけられる・・・それを感じながら、俺の意識は真っ白い闇に飲み込まれていった。
***
「おい、ヴァン」
意識を飛ばした俺を心配して、バルフレアがぺちぺちと俺の頬を叩いていた。
ひどくだるくて・・・もうこのまま眠ってしまいたいのに・・・。
「・・ん・・・」
「お前・・・どっか具合悪いのか・・・?」
すごく真面目に問いかけられて、俺はパッチリ覚醒した。
「・・・え?ごめん、大丈夫だよ。」
「お前突然グッタリしだすし・・・少し痩せただろ?」
「あ・・・」
いつものふざけた言い方とか、意地悪っぽい言い方じゃないから・・・多分本気で心配してくれてるんだよなって思えた。
嬉しくて、バルフレアの胸にぎゅっとしがみついた。
「なんか・・・暑かったし最近・・・1人じゃなんか食欲沸かなくて・・・夏バテしちゃったのかな」
「これだからガキは・・・1人じゃまともに飯も食えないのか」
「な!・・・どうせガキだよ!」
なんだよ、バルフレアが中々会いに来てくんないからじゃないか・・・
俺は拗ねてバルフレアの腕から逃れるようにじたばた暴れだした。
けれど結局バルフレアの長い腕に囚われて、再び胸の中にすっぽりおさまってしまった。
「はなせってば!」
すると、耳元で低くバルフレアが囁く。
「俺がいなかったから、寂しかったって・・・素直に言えばいいんだよ」
「な・・・言ってないよ!そんな・・・んぁっ・・・」
文句を全部言い切る前に、俺の言葉はバルフレアの唇に吸い込まれてしまった。
でも・・・久々に過ごすバルフレアとの時間。
バルフレアの腕の中に居られる幸せ・・・たまには、いっか・・・なんて。
「・・・ぁっ・・・バル・・・もっとして・・・」
END
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